インフルエンザでなきゃ恋

片側にはにくしみ、もう片側には愛がつまってるの

一人芝居ミュージカル短編集vol.1(ひとみゅー)行ってきました。

11/12(土)Atelier Kanon
「一人芝居ミュージカル短編集vol.1」18時公演を観てきました。

メモ
・ムックさん
・音楽ってすごい
・ネタばれには一切配慮しておりませんのでお気をつけください!



そうだ、観に行こう

ムックさんの告知にして知る一人芝居ミュージカル
伊藤さん×赤澤ムック女史
是則納祭タッグ

観に行かない選択肢がなかった(まだまだ納められていない)
納祭を同じく患うYちゃんつついて遊びに行ってきました。


ガイドライン

3人の男性音楽家
その音に包まれる、3人の女優

3人の女性音楽家
その音に包まれる、3人の男優

実在の10人の人物の生涯を
脚本、音楽、全て新作で書き下ろします。

note.mu
公式サイトより引用

なんか全然分かってないけどすごい楽しみ、やばい(語彙力)ってなりました。ちなみにチケットは某バスツアーのバスの中で迎えた12時に…どうか12時になる時にはトンネルに入らないでくれ…!!!!とめちゃくちゃお願いしながらその時間を待っていました…。無事に取れてホッとしましたほんと…。
お目当ては

「殺人を告白する忘れられた音楽家の話」
題材:アウトゥーロ・トスカーニ
主演:永田正行
脚本:赤澤ムック

だったので

塚越光  (題材:テオドルス・ファン・ゴッホ
海老原恒和(題材:オー・ヘンリー)
金 すんら(題材:アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ
永田正行 (題材:アウトゥーロ・トスカーニ)
柳内佑介 (題材:竹久夢二

な11/12(土)18時公演なこの日を選択しました。ら。4公演+アンダー公演で5作品観られる日でした…ハピネーーーーーーーーーーーーース!!
お勉強しますぞ!と珍しく全題材図書館で借りてきてあとWikipediaさんもしました。
余談にはなりますがラヴヘヴンと言うパズルゲーム×乙女ゲームに出てくるゴッホちゃんを友達が凄く好きでテオとは分かりながら頭のなかではヤンデレゴッホちゃんが頭の中を巡っていました。


観る前の予習復習(閑話)

テオドルス・ファン・ゴッホ
参考文献:テオというもう一人のゴッホ
これがめちゃくちゃ個人的には読みやすかった!テオの生い立ちを追う上で難しすぎず、でも想像の余地も有って今回借りた中ではダントツでした。楽しい本だった!全体的に一番やばめなエピソードはテオとゴッホが牛乳半分こして飲んだみたいなあの怖くなる感じの文章でしたが、テオは望まれて生まれきた子、ゴッホは自分を代用品だと思っていたこと、そんな中で生まれたテオに心救われていたこと、テオはゴッホを愛して止まなかったこと…まるで対極のような二人。それでも惜しみなく愛を注いだテオ。私はゴッホが妙に愛おしくなったりもしましたが…(駄目過ぎて)


オー・ヘンリー
参考文献:オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション1 賢者の贈り物
人となりよりも先に短編集一を読みました。賢者の贈り物 が表題だったのですが…何処かで読んだことの有る話だなと思ったら教科書に載っているんですね。世は無常だな…と思ったことを覚えています。とりあえず小難しい人なんだな。でもちょっと幸せが好きそう。小面憎い愛をお持ちなんだな。というのが私の感想です。あ、書き忘れていましたが 最後の一枚の葉 がいちばん有名なのでしょうかね!
オー・ヘンリー - Wikipedia (あとwikipedia
なんか…もう…人生多難。



アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ
参考文献:チェーホフの世界・チェーホフを楽しむために
チェーホフは不遇の人生を経てそれでもまだなお明日に期待している…読み解く中で不遇過ぎてしんどくなって半ば挫折してしまいました…でもだからこそ、凄く素晴らしくまとまっていた本編をご覧いただきたいです!!!!(漏れ出た感想)



アウトゥーロトスカーニ
参考文献:トスカニーニ 大指揮者の生涯とその次代・トスカニーニの時代
今回多分1番勉強した(本命だから)。でも百聞は一見にしかず。こちらも本当に素晴らしかったです。



竹久夢二
参考文献:竹久夢二生涯と作品・夢二デザイン
なんとなく下に行くほど勉強薄くなってるのは分かりますよね。えぇ、力尽き果てました。夢二デザインを見てにこにこしていました。素晴らしいデザイナーであるという事に嫉妬を隠せません。



伊藤靖浩さん
ライブ配信を観ました
www.youtube.com
もうとりあえず凄いから観て。
わたしの説明は彼方へと飛び立つ。



など、踏まえて本番に臨みました!


当日のあれこれ


目印トトロの木。あ、あったー!って感じの大きさです是非嫌でも目に入るとは思いますが田舎在住のわたしでも感動する大きさでしたのでご体感ください!

実は早めに会場におりまして…正確には1階のカフェに長居しておりまして。
気軽な気持ちでゆっくりハヤシライス食べよ〜とYちゃんと2人で行ったのですが、これから行かれる皆さんの心臓を止めないように申告します。ぽけーっとご飯食べたりすると関係者の皆様が行ったり来たりされてて私大変気が気ではございません。
主に(ムックさんが顔を出す度に固まる)ただの不審者です。

ハヤシライスとても美味しかったです。長居してしまい申し訳ありませんでした…すごくゆったり過ごさせていただきましたごちそうさまでした!!

開演前に並んでる最中にお声をかけて下さった素敵な殿方がいらっしゃり…素敵だなー…と思ってたらYちゃんがハッとして正体を知る…金すんらさんでした…そりゃ素敵だわ…!!
事前に受付にお手紙預けてOK!という確認を取らせていただいてたので精算時に一緒にお預け…受付担当の方に「直接渡されなくて良いんですか?」とお声掛けて頂いたんですが滅相も無いと真顔でお渡しさせて頂いたのです(後のポンコツ騒動の起因です)。
そして会場に入って個人的にはすごく満足な位置をゲットしまして!諸々会場の関係で(お手洗いが一つしかなく混んでたら押したというリアル)セッションなんかも挟みつついざ!ひとみゅー!


感想をば。(演目順)

「星月夜」テオドルス・ファン・ゴッホ
演者:塚越光さん(アンダー)

まずはアンダー公演、と伊藤さんの前説ののちに始まったテオの物語。ある意味王道で、まっすぐなストーリー。前述もしましたが割と幸せに育ったテオの苦悩と平凡さと羨望と…弟らしい発言の混じったお話。本来は主催の伊藤さんの演目。淡々と描かれた彼のお話と…本公演を観られてないのでこう言う事しか出来ませんが「伊藤さんの技量に合わせて作られた音楽」であるのだろうと言う音。あまりにテクニカルな音楽は扱う人を選ぶ存在だなと正直思いました。
見え隠れする伊藤さんの影を感じながら演じられたであろう塚越さんはハードだなぁ…と思いました。凄く弟感溢れるテオでした。画廊の時の幸せそうな青年テオの顔が印象的です。



「The Last Leaf for Henry」オー・ヘンリー
演者:海老原恒和さん

正直な話をしても良いですか?

金槌で殴られたレベルの衝撃でした!

アンダー公演後、本公演とっぱじめと言うこともあり、こちらを粉砕するレベルの初回からフルターボで襲ってくる、歌、声、熱、視線。
紙と格闘し、迷い込んできた猫と対話するシーンがなんとも…なんとも。あと猫のヘンリーの鳴き声がベース(ですよね…?違ったらごめんなさい…耳音痴)で表現されてて最初はぽよーんて音に笑いそうになっていましたが進むにつれてもう猫さんにしか聞こえなくなります。人間の慣れ凄い。(もちろんジェスチャーで)猫ぺーんと蹴飛ばすシーンはひぃってなる。危うくヘンリーを憎みそうになる。

「生きている、生きていた、生きていたい」
というセリフが確かある(うろ覚えで大変申し訳ないけどこのニュアンス)
何のために生きるのか、それでも生きなければいけない、生きているとは…と、家賃のために、家族のために、趣向品のために生きる以上はお金を稼がなければいけない。この作品には生きる苦悩が詰まっていて、最後のページを書けない事に結びつく生きる意味を問う言葉、なんだか最近の自分に重なってしまって凄く苦しい気持ちで観ていました。

最後のチョークで書ききった後の晴れやかな顔がなんとも印象的です…圧倒されて諸々を抜きにすると私はとても楽曲的にもオー・ヘンリー好きでした!



「殺人を告白する忘れられた音楽家の話」アウトゥーロ・トスカーニ
演者:永田正行さん

現れ、ヘンリーの最後の文字を綺麗に消すトスカニーニ。(転換)その際に、「立ち上がって自由にしてね腰痛いでしょ」と立ち上がらせてくれ、1時間で軽くボコられた腰に優しいお心遣い。
合間に軽やかにトスカニーニがモテる話をして下さったんですが…モテたい!!!モテたい!!!と場を和ませる永田さんに、ムックさんが永田氏好きと仰ってた理由を理解し始める。

始まる本編、現れる別の「誰か」に?を覚えながら最初は殺人を告白する場面から。他方から聞こえる色んな声を踏み潰して消していくシーンでした。
暗転後、打って変わって現れるはコンマストスカニーニ。ユーモラスに動き激を飛ばし指揮棒を振り上げ指揮棒を噛む!リズミカルに進む音に話に笑顔が我慢出来ませんでした。頑固なトスカニーニ。きっとそれでも愛されていたのだろうと受取手に連想させるような、そんなトスカニーニ

ここで、赤澤ムックと言えばこれを書かせたら天才!と言いたくなるようなキャラクターがお目見えします。NBCに移り、語り手はトスカニーニからNBCのマネージャーさんへ。このマネージャーこそが本筋の語り手。

トスカニーニに憧れ、慕い、守ろうとした元音楽家。どんな苦悩もトスカニーニの為であれば我慢出来ると気丈に笑んだマネージャー。ただ、「愛していた」それだけなら良かったのに、欲深い人間らしさが溢れ出ます。傍に居られればそれで幸せだったのに、お酒が入ったのもあってつい零してしまった「憧れの相手に対して求めてしまった自分への評価」。マネージャーを突き落とす結果が待っている。
結果的に、トスカニーニはNBCを去る事になる。
マネージャーは笑う。酷く悲痛に笑う。本当に望んだ結末をまるで悲劇のように。あまりにも痛々しく、そして悲しい笑顔で。自分を大事にしなかった結果だと。吹聴して回る、殺してやったと、あの人は酷い人だと。民衆は「トスカニーニはあなたを哀れに思うだろう」と蔑み、喚くマネージャーの首を締めていくかのような仄暗い終わり。

根本的に私は所謂「(自分が勝手に)神様(だと思っていた)」が死ぬほど好きで、更に言うと勝手に失望していく様も大好きで…ええっと要するに最高だから一回観てください!!(ステマ下手か)
観終わった後に休憩だったのですが「神様〜;;」と声に出てしまいました。レジェンドオブ最高(語彙力)。ついつい重ねてしまいがちですが、Yちゃんと「ファンで居る時は楽しいのに、推しになるとなんでこんなに悩みが増えるんだろうね」なんて話していたりしたのでこう…愛という狂気は何よりも人を狂わせるんだなと思います。
赤澤ムック氏のどろどろした愛憎が好きな方は是非観て欲しいです。一人の人間による息苦しくて真綿の締め付ける愛をご体感ください。そして、トスカニーニは色んな人に演じて欲しいです…奇人の天才トスカニーニと彼を愛したマネージャーを、是非描いて欲しいと思います。

あと個人的にですがトスカニーニがピアノレッスンをするシーンが入っており、厳しくて面倒で小うるさいトスカニーニ…そんなトスカニーニが「完璧と言える音楽を出来たことは数回しかない(ニュアンス)」とレッスンされる方に話す場面が。そこは、なんとも人間味に溢れ、同時に彼が凄く愛情深い人で有ったような描写に思えました。その後すぐ小うるさいトスカニーニに戻るわけですが笑
あとはベースの近くに立つトスカニーニはベースの彼女とのコミュニケーションが最高でした。近くで見て居たのでそこが特出し過ぎただけかとも思いますが…意思の疎通を図るトスカニーニめっかわでした。可愛い!!!イッツファニー!!!!

2ヶ月ほど楽しみにし過ぎて不安にすら思っていたトスカニーニ…照明が付いた瞬間からステージは本当に最高でした。ムックさん!!ムックさん!!!と心のなかで叫びましたとも。(細部の感動はまた紙に書かせていただきたい次第です)終わる頃には私もすっかり永田さんのファンになっておりました。



ここで休憩。おしりが二つに割れそう(割れてる)そして再度セッション!今度は伊藤さんも参加(ドンテケペケペケ)レッツ!後半戦!



「この泡の消えるまで」アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ
演者:金すんらさん

なんかやたら多い道具。ぱたぱたとあちこちに増える壁釣り。不思議な絵が沢山ありました(伊藤さんのお姉さまが描かれた?と何処かで拝見してご家族の圧倒的な支援にも驚きました)
登場して、まずその存在感に気圧される。ショースターがそこに居た。凄く素直な感想を言うと歌が上手い人って本当に体が楽器なんだなと思った。全身の毛穴ぶち抜いて歌うその姿は1.5倍くらいチェーホフを大きく見せて居た気がします。もうなんでしょう…声から違うんです。この世の音が彼のために存在するみたいな、そんな錯覚を覚えました。医者で、文字書き、二足の草鞋。苦しい過去を絞り出して生きようとしたチェーホフ。赤く塗りつぶされていく臓器。
そんな彼が出会った最高の人、チャイコフスキー
チャイコフスキー…スーキーーーーでもう無理です笑顔をこらえきれません無理です。魅せる芝居には感情を揺さぶる力が有るとは常日頃思いますが、ああも喜びが伝染するものだとは。パワーを凄く感じました。病に侵されながら、それでも希望という毒を食らう彼は生きるを諦めないとても貪欲な生き様を見せつけて下さいました。楽しい、凄く楽しくて…あああと全部の作品通して言えることなんですが物凄く照明が美しいです。
チェーホフの最後、シャンパン色に包まれるキラキラとした会場が、私にはアクアリウムに見えました。
終わりも美しく、幻想的でした。

にしても、今回の男性5タイトルの中でチェーホフのタイトルが1番美しいと感じています。刹那的で、酷く脆そうな所が。



「ひとくち、アイスクリン竹久夢二
演者:柳内佑介さん

さあ、ラスト一編!!!と皆がおしりの限界を感じ始めたその頃やってくる波動。転換で今までの出演者全員がわたわたとチェーホフの後片付けを(永田さんが可愛くて目で追ってしまう結果)してくださいました。どこから来たのー?とキャッキャとお話ししてくださる柳内さん。いろっぺい。

こちらも一人二役。唯一の日本人題材と有って最も感情が入り込みやすい作品でした。
色恋も日本仕様で大変分かりやすく、2、3歩後ろ付いて来いよな夢二さんに女性としては失望と諦めと、それでも夢を追う男の人の魅力とに綯い交ぜにされ、もどかしい…と思ってしまう自分。
甘いものが好きな夢二さん可愛いかよ…と。ガラスの器に一口大のあいすくりん。って可愛過ぎません?
昔自分も親に連れられて京都大丸のコペンハーゲンカフェに行ってカシスのシャーベットをおやつに貰うのが最高の楽しみでした。なんかそんな気持ちを思い出しました
今思えば、夢二さんは随分進んだ人だったのだなと思います。青い鳥は鳥籠に入って居たら死んでしまうというアレなアレでしょうか。
最後のシーン含めて、柳内さんの歌い分けや声調の変化が最高に素晴らしかったです。あと歌もとても優しくて悲しくて素晴らしかったです。





そして観劇後、小劇場規模ならではの面会があり…帰り際にもまた金さんにも長い間〜とお声がけいただき(親切すぎるのでは無いだろうかありがとうございました!!!!!)私もこっそりとお客様とお話ししているムックさんを横目に拝見しつつ…お腹も減ったし!とご飯を食べにカノンを後にしてしまったのですが…お気を使わせないためにとやった事がうっかり裏目に出てしまい申し訳無さを感じざるを得ない事態に…お寒い中、本当に…。私に勇気が出た際には頑張りたい次第です…生ムックさんとてもお可愛らしかったです!!!!


改善されると嬉しいな、な点(こっそり)

ほんの少し。思ったことを。

サイトは作って欲しい(オタク的要望)
正直検索してブログページが出てきて?!ってなる層が一定数居ると思う。
手間も時間も掛かることも分かるけど、ロングランを銘打つならある程度準備がいるんじゃないかなと思ったり。公式サイトと思って飛んだページがブログページでは、些か不安だし更新履歴もわからない。私がオタだからって云うのも有りますが基本的にはサイトが有ったほうが告知にも力入れてるんだなって印象も有る。あとせっかくならツイッターとかも伊藤さんご本人のツイッターよりアカウントを取ったほうが分かりやすいと思う。凄くアットホームだけど伊藤さんのツイートを見たい人はひとみゅーとこんがらがって「????」てなっちゃうと思う。告知と後方の点に関してはそれはそれ、とキッパリしていてくれるとご本人が告知いっぱいしてくれるのも嬉しいんだけど、あくまで個人アカウントなのかな?と見過ごされる点が無くなればいいなと思う。あと勧める時にアカウントあるよーとかだと教えやすい。

トイレ1個は需要過多
そもそも劇場ではないのでこのような改善案は無用な気もしますが、主催の伊藤さんが気を揉まれてたのがなんとも思い出深いので…次回の選定に少し考慮に入れてもらえたら嬉しいかなと思いましたが、個人的には余裕を持つことがもちろん大事だと考えて居ますので観劇側の問題でも有るかなと思って居ます。でも一個だとああなっちゃうよね。


vol.2への期待

改善点も有るかとは思いますが拝見した回は楽しくて充実した…伊藤さんのお言葉を借りるなら5公演一気見出来るお祭り回として、この回を凄く楽しませて頂きました。
第2弾を凄く楽しみにしている私が居りますので、故に!
とても面白い試みが明るみに出て多くの人の目に留まるようにと願っています。
トスカニーニやっ(ry
諸々とても大変なことかとは思いますがとても楽しめるエンターテイメントでございました!

100作まであと90作!応援したい限りです!