インフルエンザでなきゃ恋

片側にはにくしみ、もう片側には愛がつまってるの

孤独と寄り添う詩人たち(る・ぽえ)

2020年1/25(土)~2/2(日) 新国立劇場 小劇場 
「る・ぽえ」
  
メモ。
・朔ちゃんと月吠えにぐるぐるした約一週間の経過です。 
 
 
 
 
 

 
 
 

ガイドライン

 
le-himawari.co.jp
 
二往復した。(内、朝バスで着いて夜バスで出てった強行スケジュールだった)
 
lomo9.hatenablog.com
一瞬帰ってきたタイミングで上を書きました。随分見え方が変わりましたが記録として残しておきます。
 
lomo9.hatenablog.com
これは同時上演のウエアハウスを観てよかったという記録です。
 
 
 

感想。

 

智恵子抄

 
日毎に狂気が増す光太郎さんを見て心がじくじく苛められていった。居ない見えない居る見える智恵子。
随分と輪郭のはっきりした虚像だったなと思うなどした。具合悪くなる。抱きしめる光太郎の腕の中に居ない智恵子。体調悪化する。
 
檸檬の投げ方一つでも個性って出るんだなあと暗唱する人たちを眺める。林剛史氏の上げるのの上手いこと…碓井くんのパターンの多さ…。林氏見てると安定して高く真っ直ぐ上がってるからほんと面白いです…めちゃきれいってまじまじ見ちゃうし、碓井くんは見る度投げ方転がし方持ち方が変わってて面白い…器用な2人だなって。
檸檬を見つめながら目を真っ赤にして詩を読む人がいた。だいぶ終盤で碓井くんのコートだけ他3人と違うことに気付く。というか3人おそろいコートだった。初日蓋開けたら目の前に碓井くんがいて「!?」ってなったので稽古場レポ見て四つ角には注意せよと言って欲しい…近いんだわ。
 
智恵子が『いた』ではなる智恵子の『いる』世界だったんだなあと思ってからは妙に恐ろしいものとして目に映ってた智恵子抄。辻本光太郎が毎日命を削いで演じてくれてた感に震える。体一つで空間を揺らしてたんだと思うと…末恐ろしい人物だなと。高村光太郎であるように板の上で振る舞う辻本祐樹の狂気を浴びる、これは…生じゃないと駄目だったものだなあと。浴びまくる、浴びまくる。R列で見た時の光悦と地獄が一気に襲ってきてどうすればいいのか分からなかった。
これはまじで本当にどうでも良いんだけど「没し去り…」って聞く度にボッティチェリが頭を過るのでくだらない頭いい加減にして欲しい。
 
 
 

月に吠える

 
萩原朔太郎氏、朔ちゃんの成人してからの数年を描く…多趣味で繊細、高等遊民で自分本位に見える青年の、30代前後の頃のお話。
みねくんのリアルな年齢に近いようで、若干お髭の効果もあって上に見えるなぁと思ってたけど萩原さんが月に吠えるを出したのは32歳頃、その前後の話も含めると見た目的にはあの感じで満点なんだなと理解する。造詣が深い。
 
オリーブの首飾りみたいなのでマジックシーンから始まり陽気な室生くん・北原くんに促され拍手で廻りお花をぽんぽん出す朔ちゃん。連日Aで観てBに戻り北原くんがはっちゃけてるのを目にする。日毎に動きが過剰になる北原くん可愛い。室生さんは客席を舐めるように拍手をしていく、朔ちゃんはずっと、マジックうきうきしてて可愛かった。2日目くらいに胸ポッケでぽんぽん暴発しててアカーーーーーンと思ったが…色んなマジックに謎に挑戦させられている朔ちゃん可愛い。くるんくるん廻りながらポッケから一生懸命お花出してる朔ちゃん本当に可愛い、とても可愛い、ベビーフェイスの朔ちゃん、只管に可愛い。愛しい。北原くん、空いてる客席の隙間にスコッてハマって手拍子打ってるの陽気ぷわぷわで可愛すぎたね…上の方にも行っちゃう北原くん本当可愛い…愛しい…。
流れのままメルシーメルシーメルシーボークーしてドヤドヤする朔ちゃん。お花拾ってくれる二人ににこにこして、詩とマジックは似ていると言われれば血管浮いてブチ切れる朔ちゃん。詩に対しての情熱が溢れかえってるのとプライドとイキりに胸を震わせる事となる。プライドが高い男が何より好きでなすまんな。と言うか「マジックなんか」って自分が遊んでる趣味に対して言えちゃうあたり、ほんとに趣味でしか無いんだなと思う。詩は人生だったんだろうな朔ちゃんにとって。
月の境目で北原さんのプラン変更を感じた。2月の北原さんは気位が高く、タカビーっぽくて性癖にぶっ刺さる趣があった。しかし、タカビーなのに手拍子は誰よりも陽気でお客を巻き込んでいくスタイルのため、正直可愛すぎて胸の高鳴りが抑えきれないなどした。
 

 
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食となるとても
帰るところにあるまじや
 

 
3人でこれを暗唱するの、ほんと…ほーんと可愛かった…。朔ちゃんだけ「あるま↓じ→や⤴」になって上がって終わるのすごい好きでした…室生くんの一度聞き取ったらまっすぐの音調なんですよね…可愛い。意地悪な顔して眉毛上げてみる朔ちゃんめちゃめちゃ可愛い…顔に力入ってる朔ちゃんめちゃ眉毛近い…イケメンの証…。
有明の暗唱も力強くてよかったなあ。そして鴎外先生に送った後の不安そうな顔も愛おしかった。ちらっと出てくる芥川くんの羅生門の話もしっかり伏線回収される。北原くん・朔ちゃん・室生くんでで2個ずつ年が離れていて年齢が態度に出てるの可愛いね…北原くんには逆らえず、室生くんには不愉快な顔をする朔ちゃんお可愛いの極み。序文跋文を二人に書いてもらうことになって不服顔の朔ちゃん、ずーっとA側に何言ってるのか分かんなくて首傾げてたんですがA座った時に「俺の真似はしないって言ってたよなぁ?」ってぶつぶつ文句を投げ掛けていたのでした。たまに敬語も喋ってた。その辺大変日替わりでしたねはい。北原室生が喋ってるからA側座っててもある程度離れると聞こえないんだよ朔ちゃん……………。初めて知ったよその愚痴…………朔ちゃん………。朔ちゃん跋文酔っ払って失くしたなんて逸話も在ったみたいですけどね。室生くんは跋文を2度書いたと思うと愛しさと優しさしか無い。兄のために頑張る室生くん。二人の序文跋文、作中の朔ちゃんはあんまり嬉しくなかったんだろうかと思う気持ち半分、妥協できず少しでもリーチを伸ばしたい気持ちもあったのかな半分。
 
北原室生の2人が喋ってる最中~鴎外先生が来るまでLの方に降りてムーブしてるのなにしてんだろなぁ。くらいにしか思ってた。L寄りのABすら無かったのでほんと初見。
 
知らなかった。
観なきゃよかったとさえ思う。
最後の最後まで…呑気に朔ちゃんがそんな顔してるなんて知りませんでした。
 
いや、なんて顔してるのあなた…。
 
最終日にLだったのでそれまでの朔ちゃんがどう言ってたかなんて知りもしないし分かりようもないんですが「…あい」「あい」「あい…」って口動かしてどろっとした目で唸ってた。情緒ぶち壊れて死んだ。*1…私ね、月吠えはカラっと比較的しているイメージだったんです。他2作に比べたら、ですけど。あの顔を見た途端一気に世界が塗り替えられてしまいました。朔ちゃんの闇の深さは履修した通りだし、陰鬱なお顔をしていても表向き納得しているんだろうなと思うわけじゃないですか…。そう思うとLやAは『朔ちゃんの内面側』だったのかもしれないなとも思う。BとRは外面と言うか。割と綺麗な顔だけを反映していた気がする。どろりとした目の中で光ってるそれにゾっとした。ああ、この人はやっぱり…深い底に居るんだな、なんて思ってしまう。
鴎外先生がやってきて、パっと顔が切り替わって吉本新喜劇が始まりますがあの顔が脳裏に焼き付いてしまい千秋楽目に見えるもの全部信じられなくなりました。鴎外先生のオウム返しする朔ちゃんはいつだって可愛い。淡々とお話する日と、ふざけまくる日の間の日可愛かった。
私は月吠えの見え方ならA列推しです。朔ちゃんがぼやくし始まりがAからだから。あと単純にABセンブロのが視界が良いから。
 
個人的には
A列…(月吠え)正面
B列…(月吠え)室生・北原席
R列…独特な見え方&リピーター向き。割と正面だし良い光景。
L列…情緒が殺される席
だと思ってます。
 
「傑作」と褒められてお花出しながらぶっ倒れちゃう朔ちゃん。両手に花。綺麗に白目剥いて倒れてるんですが、北原さんも室生くんも触らずに一歩手前でぴたって止まるの面白かった。楽だけ、足ぴよって曲がってたのなんか滲み出てた。
 
さて、因縁のクラップです。リズム音痴を公言しているわけですが(ペンライトを振っているといつの間にかズレるなどする)平坦に打ってた簡単クラップから翌日のややこしクラップに変えられぶちおこしてたりしても裏打ち混ぜ込まれ戦争不可避でしたね。はい。ワンツースリーフォーって突然発狂するからどうした…って不安にもなった。翌日から慣れた。
 
「私の悲しみは~」はこの辺だったんだね。
 

 
 私の詩の読者にのぞむ所は、詩の表面に表はれた概念や「ことがら」ではなくして、内部の核心である感情そのものに感触してもらひたいことである。私の心の「かなしみ」「よろこび」「さびしみ」「おそれ」その他言葉や文章では言ひ現はしがたい複雑した特種の感情を、私は自分の詩のリズムによつて表現する。併しリズムは説明ではない。リズムは以心伝心である。そのリズムを無言で感知することの出来る人とのみ、私は手をとつて語り合ふことができる。
 

 
\サクタロウ!/\サクタロウ!/ \キタハラキタハラ/\キタハラキタハラ/ \サーイーセーッ!/\サーイーセーッ!/
 
アフトで、客席とは声じゃない会話してる、クラップもそうって話で…打ちにくいよねって林氏が「3人分のクラップ見本が有った後の三つ巴どれ叩いていいか分からないよね」って言ってくれて……。この人はどうしてこんなに座っている側の目線で事を話してくれるんだろうって感動するなどした。室生くんが裏打ちクラップ出来ないのをにんまり笑ってる朔ちゃん…みねくん…悪い男だよ。一拍多かった時北原さんとにまにま笑い合ってる朔ちゃんもいと可愛らしき。滲み出ている…悪さが…。裏拍のリズム取れない林氏、「お前も大概やからな」とチクられる木ノ本氏たるや。
 
三つ巴クラップで大はしゃぎした後一人残って序文をなぞり、ばくてりやに行くわけですが私はここのアップダウンが好きでした、ぐあって上がって突き落ちる感覚が大好きです。だんだんばくてりやスペースが広がっていった感覚がある。だいぶ狭い所でもにもにしてたのが、最終的によく動けるような広さを有していた。1Rから1Kくらいの差は有った。Bのどセンまあまあ気まずかろうな。と思ってた。芥川のインタだったかな…お客さんが目をそらすのが~って舌舐めずりしながらみねくんが言ってるの見て、案外客席が見えてんだなあと思ったりもしたので見られてると見えてるの感覚も非常に重要だなあと思った。よく動くばくてりやだよあの人。
 
そこにすんなり入ってくる芥川くん。朔ちゃんと芥川くん。アフトでほぼ演出が入らないシーンと露呈した2人のシーン。年末…絡み無かったもんなぁと思ってたらこんなとこにあった。
 
「君は?」
「芥川です」
 
ぱやって笑う芥川くん、ああ、君かって顔をする朔ちゃん。ステッキついついして芥川くんを揺らす朔ちゃん。キョトンとした顔のまま目で追う芥川くん。みねくんがアフトで「(芥川の辻本さんは)メトロノームみたい。(僕の動きに)合わせてくれる」って言ってた事に随分となんというか…信頼のようなものを感じたりしました。にこにこ笑って「合わせるよ」って言った辻本くんもとても印象的。2人はたまに無言で会話する。本当に日々ちょこまかちょこまか動き回る朔ちゃんを綺麗に目で追い続ける芥川くん。うら若き芥川青年って印象に見えるので本当に年齢が分からなくなるな板の上の人たちは…。ステッキが落ちた日、スンって顔をして拾い上げる朔ちゃんの無っぷり…おつかれさまという気持ちが芽生え、翌日から後ろを通さなくなったステッキ。
R列の日、辻本くんの背中をずっと見つめる時間がありました。後ろ髪のセットが綺麗だなぁ~って朔ちゃんの声を臨場感溢れるサウンドで聴きながら思ったした。くりくりの後ろウェーブを眺めながら、どんなマジックしてるんだろうなぁ…って想像する日が来ようとは思わないじゃない。
 
羅生門、読んだよ」
「ほんとですか!」
「傑作!」
 
このくだりを永遠に愛する。みねくんの誰かのオマージュが飛び出す時、少し空気が変わる所が好きだなあと思う。もちろんオマージュ元は今回鴎外先生なんですが。目の奥で歯車がギリギリ回って~…って、そんな経験ありますか?私はないです。だからこそ、あぁ…あぁぁ…と思ったし、本体の人芥川やったことあるんだからなんとなく通うところも有るんだろうなと朔ちゃんの優しい目を見て思ったりもする。
 
「寝ている間に絞め殺してくれないかな…」
「君のことを真に愛してくれる人ならやってくれるかもね」
 
から、ショーペンハウエルに話が向かうわけです。史実を調べている時見たものには朔ちゃんはショーペンハウエルに趣が深く、けれどキラキラした瞳でそれを語る芥川くんの話を遮ったりはしませんでした。あれ、朔ちゃん大人じゃね?室生くんに怒鳴り散らす傍ら、後輩に優しくするという行動が朔ちゃんにも有ったわけですどういうわけか。朔ちゃんにとって芥川くんは話を聞き入れられる存在で、創作分野に置いて気のおける相手だったのかもしれないなあと思うなど。「孤独は天才の特権」と尊敬していた男の言葉を置いた上で、自分の考えを持ったんだなぁと…ただし、此処は箱の上でひたすらポーズを取り続ける朔ちゃんなので結構重く深いことを言っているのに笑えてしまう辛さが有る。
  

 
「孤独は天才の特権だ」といったショーペンハウエルでさえ、夜は婦などを相手にしてしゃべって居たのだ。真の孤独生活ということは、到底人間には出来ないことだ。友人が無ければ、人は犬や鳥とさえ話をするのだ。畢竟人が孤独で居るのは、周囲に自分の理解者が無いからである。天才が孤独で居るのは、その人の生きてる時代に、自己の理解者がないためである。即ちそれは天才の「特権」でなくて「悲劇」である。
 
www.aozora.gr.jp
 

 
2日目に「ちょっと遠かった」って(多分素で)笑いが起きて、そのまま他日もそれが継続したし、どっかの日で1段のまま乗って「低かった」って言ってた日もありました。自由な朔ちゃん。よく動くのでびっくりするほど汗が滴る。初日それを手で拭いぴってはらった姿があまりにも美しいと思いましたが、以後ぱた、ぱた、と一定のリズムを刻んでしまう汗の音すら音楽のようにも思えてきた。みねくんサウナ行かなくても整うのでは説さえ有る。どうしてあんなにも代謝が良いのか。そりゃ玉のような肌だ。
孤独は人を強め、分かり合える人は人を弱めるかと言われれば人によるかもしれませんが、朔ちゃんにとって心を許す相手ができることは「自分が弱くなること」に繋がってしまったのか、なんて思う。いつまで経っても子供の目を見て話せない萩原さんらしいエピソードだなぁ…と思ったりした。
 
「勉強になりました!」
「そう?」
「また来てもいいですか?かなり近くなんです僕の家」
「ああ、いいよ」
 
作中、二度と現れない芥川龍之介の「また来てもいいですか?」に対する「いいよ」がやたら虚しく感じてしまうフカヨミが過ぎる世界。
 
「では、失礼します」
「……あ、これ」
 
いやここの最後のマジックのシーンね…初日記憶違いじゃなければ芥川くんを近づけずその場の距離のままやってた気がするんですが…2日目か3日目以降から目で芥川くんを呼び寄せるようになりましてね…。
 
……………目で…………呼んだ…………?…え…テクニカルポイント10000000点…?って縮み上がった…朔ちゃん…やりよる…。ステッキのマジックから暗転するまで、ぐいって近寄って種が知りたい芥川くんのきょときょと顔。可愛い…可愛いね。よーく見てると片方外すと片方に収納され、シルクハンカチが双方から出るんですね…なんで芝居にプラスしてマジック練習させられてんだ…上手かったなあ。
 
 
から、キャメラ。「北原さん? 北原さーん…北原さん!!!!」 \北原さーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん/ 「北原さぁん!!キャメラキャメラはぁ!」ってひたすらはしゃぐ朔ちゃんの幼児っぷりを見守るコーナー。室生くん不憫コーナーとも言う。江戸川乱歩に沸き立ち楽しそうにおしゃべりする調子乗り太郎。調子ぶっこいとるが大変わかりやすく愛しい。
 
そして自分たち叙情詩の時代が来たぜ!ってなったら「なんか自分トレンドになっちゃってそれはそれで(自分が没個性みたいで)嫌!!(要約)」って怒ってて「…マ、マイナージャンルにハマって沼ってたら突然人気になって怒るオタクみたいなこと言ってる…」ってびっくりした。文豪、拗らせたオタクと思考似てる。オタクは皆プライペートビーチを欲している、と昔話していたことを思い出す。
北原さんに諌められ、すんんんんんんんんんんんんごい渋い顔をした後
 
「ですね、」
 
って笑う朔ちゃん。納得してんのかしてないのか分かんないなぁ。ってぶっちゃけ思うような顔してるんだよな此処。外面、と思った個人的には。
 
「元々好きなことしか~」は親の期待に沿おうと散々受験しまくった時期の話が絡まってるのかなあ…と思いながら、少し寂しい気持ちでその言葉を聞いてしまう。ぽん、て花玉出してオリーブの首飾りみたいなのの中で踊る朔ちゃん。暗転して世界が幕を閉じる。
 
 
 
うわ~~~いモヤモヤするぅ~~~~⤴
 
ささくれだらけのオタクには滲みて滲みてイテェでござる。とうとう穿った見方が変わらなくなってしまった終わる度胸が痛い月吠え。千秋楽、どん底に落ちすぎて新宿行くはずが橋本行きに乗ってしまった。*2 朔ちゃんのLの苦悩を知ったら笑えないよなんだこれ、闇深しんど。
 
朔ちゃん絶妙にもったりしてるのはスーツの形なんだろうなと思ってる。少し野暮ったくて田舎っぽいから江藤さんの言葉を借りるなら地方出身者って感じ。ロシア帽被るような人だけれども…そしてやたら意地汚さとかその辺が見えないのは朔ちゃんが高等遊民だったからなんだろうな…。
 
みねくんと萩原さんが似ているという話を鈴木さんの言葉で見たけれど、私には相変わらずみねくんのことは何も分からないので近しい人が似ていると称するならそうなんだろうな、くらいに受け止めて観てました。たまーにどっかしらで見るみねくんの私服はトリッキーだし溢れ出てくる思考も読めないし、そもそも感覚的に近いことがほぼ無いので分かりようがないんですけどね。そろそろ3年経ちますが、相変わらず未知の人です。私この人の事なんだと思ってるんだろうな…とお顔を見ながら考えたりもした。答えは特に出なかった。可愛かった。
月に吠えるを観ていると、どうしてもSOPHIAの「君と月の光」を思い出します。
 
 
 

中也と秀雄

 
膨大な熱量と力を注ぎ込まれた中也だったな、と振り返っても思う。酷く陰の世界で、突き抜けすぎて最早実は明るい話なのではと思えてくるくらい真っ暗な中に薄明かりが灯っただけの湿った世界観だった。外側の江藤さんがチェックのシャツになっているのは現代を魅せる形なのだろうか。みねくんチェック似合う…可愛い。
碓井中也、なんだ既視感と思ったら月永レオくんだなって思った。あの必死で書いてるシーンはオーバーラップするものがある。目を見開いてたのに次の瞬間幼児みたいにふわって笑う中也と見て脳がパニック起こした。
 
大好き骨のスポットライト、辻本くんと江藤さんなんで眺めてたら2日目あたりから悪い男がちょけだしており、アフトで辻本くんが「みねがばーってライト当ててきたんだよ!で、当て返しちゃった…」って言っててもーーーーー可愛くて。何ふざけてるのおじさんたち可愛いねえ?!1日だったかなぁ…見上げたら口の端上げて辻本くんにライト当ててる悪い江藤さんを見てしまった。その悪い顔は何だ金を払わせろ。
  
中也のイメージはずっと親とはぐれた幼児なんだけどなんで泰子じゃなくて小林を呼ぶのかなあと考え続け、中也にとっての小林が大き過ぎて次元が違うのかなとも。ただ資料探して見た泰子がめちゃくちゃ可愛かったからそりゃそうなるって思った。楽日、酒乱のリズムで小林小林小林小林になる中也…泰子の名前を呼ばない中也は何を思っていたんだろう。小林・富永への執着の理由がまだ飲み込めずに居るので此処は要履修。

江藤さんが客席に落ちた原稿用紙すって拾い上げて読むみたいにさらっと持ったの死ぬほど滾った格好よかった…別日は富永くんが拾ってするっと舞台に戻してた…アー…アーーーーーーーーーってなってしまった。カバーし合う俳優たち。江藤さんが拾う前日にも落ちてたんですが、拾っても良いのかな…ってチロっと見ながら足を超えさせてたので拾ったの見てなんというか…乗り越えた感も感じて少し楽しくなってしまった。
 
中也の終わり、夕焼けみたいで綺麗で大好きだけど消える直前に中也がすって上向くの喉仏美しいな…って暗転して消えていく世界を憂いた。
 
どっかの日中也終わりに椅子の上に原稿用紙が1枚残ってて…そこに高村さんが檸檬を置いて…檸檬と原稿用紙が壇上に残ったんですよ…意図的なら爆発的にエモーショナルだし忘れてったならぽよだけど御洒落過ぎると思ってたら岩戸さんが忘れ物しただけだったみたいで次の日から全部回収されてました。ぶちくそエモだったのに。くそ。
 
多分万人中也やりたいよなーって思った…アフトなど、5人の皆さん選べるならどれやりたい~って聞いてほしかったな~~~~って思ってる。
 
 
 

キャスト諸々。

 

碓井くん。

日々変わり続けた人だったな…と思うなどする。目がイってる…って大変不躾な表現を中也のパートでしましたが、これが出来る俳優って何人居るんだろうと思うと稀少な所がある訳で…毎度変えてきて、驚く箇所が多かったのは彼で、新鮮な気持ちでぽえを観られた大きな要因だったと思うので感謝止まらず。また何処かでこの気の触れた天才に触れたいななど。気持ちよく演技を愛してて愛おしさしかございませんでした。
 

辻本くん。

この時期にこの演目、重さを押し付けるるひまと鈴木さんの鬼畜さよ。中也の際はトレンチコートはためかせながら歩いてる様が一人だけランウェイ状態である。格の違う王子様っぷりを見せつけてきた。アフト、にこにこお客さんにもキャストにも微笑んでおり、いつも「この人のオタクは幸せだな…」って感想しか浮かんでこない。どうしたいんだって感じですが…自分を愛する人に限りなく愛を返す人過ぎて…自分の幸せも大切にして欲しいと思う時すら有る。慈愛と言うか…それこそみねくんの言う、博愛に見える部分なんだろうなと思う。ずっと変わらず素敵な男の人だなと感じる。辻本くんの愛は「無限」と言っても良いような気がしてる。
 

木ノ本氏。

楽しそうで何よりでございました、おつかれさまでした。
 

林氏。

久しぶりに近場で見たけどオタクのことをよく見てくれてる人だなと改めて思いました。アフトなんかでは大体自分を下げて笑いを持つんですが、にしてもちゃんと自分のファン以外も見て温度を感じてくれてるなと思う。辻本くんとも共通する部分がありますが…万人に平等でそつない人だなあ、相変わらず。情けない姿がどうしてこうも似合うんだろうなって思う。優しくて分厚い人で、少し安心する。
 

加藤啓氏。

この人が大好きなんですが…本当…本当格好いいんだよなぁ。みねくんが憧れ続けている人の背中はとても遠くて、偉大です。呼吸一つ、立ち位置一つでその場に居る必要性が有ると思わせてくれる人です。好き…。啓さんが居てくれるだけで面白い演劇なんだろうなと思えるところが凄いところ。いい加減るひま以外でも観てみようとしたい。
 
 
 

思う。

 
映像化して面白い作品なのか分からないなって思う。カメラが入っていたけれど。
膨大な熱をあの距離で観られたことは幸せなことだと思う。舞台はやっぱり直で観るに限るなと積んだDVDをチラ見しながら思う。今回は特にそうかも…円盤出たり配信在れば買うけど、基本的に観ないんだよなぁ。
 
全部に共通して、「孤独」と「不安」と「唯一無二」をじわじわと感じた。
光太郎にとっては「智恵子という誰でもない愛おしい人」、朔太郎の「自分は自分でありたいというアイデンティティ」、中也の「分かり合えない深い残響」。皆孤独で、独りよがりで、寂しい人達ばかりだった。現代で容易く作れる縁では満足しないのかもしれないけど…凄く、寂しがりな人たちだなあ…と思って90分の舞台を見ていた。考えることも想像する余地も多くて、処理にとても時間がかかった。
 
面白い、と思うには知識が必要です。何かのオマージュであれば元ネタを知らなきゃ笑えません。何かをパロディしてるのであればその元が在ってこそ完成するものです。私の中には圧倒的に知識が足りておらず、初回の訝しみたるや。必死に知識を入れ込んで観た2回目の楽しさたるや。だから勉強しなきゃいけなかったんだよ…って後悔しても仕方ないのでプラスに持っていきましたが…知らないは恐ろしいことです。不安でしょうがなくなりました。知りたい欲求は控えちゃ駄目だな、遠慮もしちゃ駄目だ。良識の範囲で。
普段のマチソワと違い時間も有り、ゆっくり反芻したおかげも有り見事に躁鬱ブチギマり、オリーブの首飾りみたいなのが頭を永遠に巡る事と成り果てました。鼻歌がオリーブの首飾りみたいなの。困る。随分となだらかな時間を過ごした気がします。頭はずっと朔ちゃんの事を考えていたし死なない蛸は頭の上に居た。ラリホーマ。キーボードを持っていったは良いがあいぽんの画面を見ながら入力してもまあやる気が起きず結局こうやってまとめる事になったためせめても…と毎日ツイッタにぽろぽろ零してました。140字で納められないから結局意味ないんですがメモ的に。
 
ある種今回の演目に関して言うと、「オタクは演目を選ばない(選べない)」という結果であり「演目が不明瞭な場合関連のオタク*3以外は来ない」という結論に過ぎないなと思ってる。
配役の発表だけでも早めにしていてくれれば…まあ、期待はしてなかったけど今回は流石にマズかろうよ…と悟る。元々どるーくも遅かったなそう言えば。過半数年末出てるし年末遠征ってそこそこお祭り的にお金を使うから突然来月の舞台のまあまあな日程で出されても即決とか出来ない面が有り…悪いタイミングと言えばそうだったのかも。投げ売りされるチケットを横目に見ながら買って…って唱え続けた日々も終わりました。
 
ある程度アンケートに書きなぐってきたので短めでお送りしました。サンキューサンキュー。
 
 
 
 
 
こっから下は+αだから感想ではないです。
 
 
 
 
 

欄外。

 
 

朔ちゃん家行ってきた。

 
2/1(土)の開演は18時。ホテルのチェックアウトしか予定はない。
 
そうだ、前橋行こう。
 
衝動のまま動くことに定評があるオタク、ぶんぶん電車に揺られること約3時間。
 
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デデーン。ま~え~ば~し~。
 
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えっちなお店の上になんか電波出しそうなもの着いてた。夜は楽しそう。
 
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朔ちゃんのお家~。月に吠えらんねえのコラボをめちゃしてたのであっちこっちに朔先生と三好くんがいました。
 
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朔ちゃんご自慢の蔵改造した書斎。
 
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椿可愛かった。椿は落ちるって教えてもらって以来刹那のイメージがあって…朔ちゃんのお家に椿有るのは解釈の一致具合が凄い*4
 
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おわあ、こんばんは。
 
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記念館には朔ちゃん愛用のギターとか旅行かばんとか靴とかいっぱい飾ってありました。さすが高等遊民朔ちゃん…って立派な調度品にうっとり。
 
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闇が深いよ朔ちゃん。
 
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素晴らしい建物だね…朔ちゃんのための建物…正直興奮します。
 
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会社のお土産にしたんですが美味しかった~~~朔太郎の詩。
 
www.lamour.jp
上司に好評いただいてる。
 
 
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ぽえ終わり、同級生のお家に泊まりに行ったが耳から吸うドラッグに大概やられてた。
彼女は「黙って金を払うオタクでいたい」と言っており耳が痛い。でもお金払って好きな人観るのに更に我慢しなきゃいけないのは私は正解か分からん。こっちがわがまま言ってるなら別だけどわがままとは思ってないしなぁ…。
不安になるラジオを聞きながらぬいで思う存分遊ばせてもらった。私も欲しい…るひまぬい出して…。翌日遊園地行きたいって騒いでたら開演間に合わなくなりそうで大変慌てた…10分前に間に合ったけれども。トンクス。旅がらすもスイートコッペも買った。お土産富豪(もっさり)。
 
 
 

別日、ご飯。

 
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久しぶりにマジックスパイス。魂の揺さぶられる味。
 
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舞茸入れちゃったもんね。
 
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マジックスパイスの後初台までぷらぷら歩いたんですがちょろっと寄ったビルから綺麗に見えたとーきょーです。スカイツリーやっと見た。
ウエア行った日はもうやんカレー行ってました。カレーイズエナジー
 
 
 

有給満喫しました。

 
どうしてこうなったな8日間遠征でしたが周辺のご協力も有り無事終わりました。姉家族+世間的にもパンデミックだったため適当な新宿の安宿取ってたの止めて京王線に乗り通ってました。府中は図書館も綺麗でとても良かった楽しかった。住みやすいなぁ~ってフロントのおじさまやコンビニのお兄さんと話してたら目の前で事件起きたりもしたよ。都会だなあ。歩数は12,000~18,000歩のアベレージで健康でした。疲れたというよりかは前半理解が及ばず苦しんだなあ。フラットに見なはれよと思う私もいましたね。出来ないんだから仕方ないです。
 
歯切れが悪かったのは席運が良過ぎたわけじゃなかったから。キャスト先行・2次先行・稽古場見学会が付いてる変でチケ売って…ただ…告知が早ければ埋まった演劇かと言われれば頷けるでもなく、タイミング云々だったかと言うと分からない。
眺望良かったって開き直るし明治座で買ったチケットはC2で見え方違って楽しかったです。1エリア持って無かったんですが交換していただき、観たい景色を見ることが叶い嬉しかった。お世話になりました。
ま、ぶっちゃけ今までるー先行で吐き出してきた席が信用ならなさすぎて控えたオタクかておったやろな!!!というか最初はキャスト先行にしか特典写真着かなかったんだから余計ヘイト溜めた気もするわい。守破離の帰りにMさんと「5ショット追加してくれるなら追加でチケット買うよ…刑事ルみたいになあ!!!」ってタコキンで話してたのも今は昔。手元にしっかり8公演分写真来たよありがとな!!!!!!Mさんに1枚渡したら「まんま刑事・ルやん」って笑ってたからそれもそう。スモーク出てないけどって闇の深い笑いなどをした。
 
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新国立、クローク設備が充実していて有り難かったなあ。4回キャリーを預ける羽目になったのでご迷惑おかけした感は溢れる。大変心地よく観劇させていただけました。お姉さんたち優しくて感謝の極み。また此処で何かが観たいなと思うとても綺麗な場所でした。
 
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まあ終わってみれば大抵そう、楽しかったです。
メルシーメルシー、メルシーボークー
 

*1:情緒マンボウ

*2:多分一週間のルーチンのせい。

*3:俳優、演出脚本、制作のオタク他、コンテンツに陶酔しているエリアを指したい。

*4:語彙力が大変低い。