インフルエンザでなきゃ恋

片側にはにくしみ、もう片側には愛がつまってるの

心が粉々になる(モリミュ)

 
配信「ミュージカル『憂国のモリアーティ』」
 
 
 
 
誰に向けてと言われれば見る機会をくれた彼女に向けて。
あまり長くなるものを彼女にぶつけるのは失礼な気がしたのでいつでも読むのを止められるようにこちらに記す。
 
www.dmm.com
 
初演初日から、うわ言のように彼女が求め続けた愛する舞台の片鱗を昨日ようやく見た。
原作は5巻まで買い、血の表現で意気消沈してそれ以降見ては居ない。*1
 
 
 
 
 

雑感

とりあえず泣いて困った。
終わりから始めて申し訳ないがキラキラ笑うキャスト陣、スタンディングオベーションを惜しみなく与える客席。誰もが皆成し遂げたと幸せそうだった。平野くんが挨拶で「日の目を見ずに中止になった演目を抱えてるキャストが殆ど」という旨を話していて、思えばもう8月、2月の末辺りから続く自粛の長さを感じていた。*2
進化の反対は衰退ではなく停滞だと言う説があると平野くんは言った。モリミュが進んだ一歩がこの業界にとっての大きな一歩になるかどうかは分からない、正解かも分からないと言った。それでも踏み出さないわけには行かなかった、と言った。
どれだけ気をつけて、注意を払ってこの公演が走り抜けたのか、休憩中静まり返った場内、スタッフの気遣い、キャストの心労は計り知れないし推察できるにも限界がある。ギリギリのラインできっと成し遂げられた公演なんだと思った、凄まじい気迫を感じた。
 
作品全体で言うと豪速で話が進む、呼吸する時間がないくらい。思考を停止させたりダレたりしないというのは重要な要素なのかもしれない。目まぐるしくてジェットコースターが楽しい理論はこんな感じかなと思った。膨大な情報量をギュッと上手く濃縮して歌で脳を破壊し顔面力で物理で殴るという所業全てをやってのけていた。わがままメガ盛りパッフェだなあ。
生演奏の豪華さ、演出の美しさ、綺羅びやかさ、余裕、惜しまないという演目は目を潤す凶器だと思った。序盤目が焼けそうだった。全員顔がいい。
豪速とは言いましたがついていけない訳じゃない、稲川淳二みたいなもんだな、展開が目まぐるしいからこちらも集中して大慌てで着いていく、引き込まれていく、魅せられる。
終わった頃には皆好きになってた。綺麗で美しくて醜い、かき乱される舞台だった。情緒不安定になるこんなもの。二度と見たくないという気持ちともう一度狂気に触れたいは表裏一体だなと思った。ドラッグみたいなものじゃない、怖い。脳裏にこびりつく歌や言葉を吐き出して眠った。繰り返され記憶され洗脳にもまた近かった。おばけてんこ盛りだった。
 
美しい人だらけ、声量どうやったんだだらけ、何をしたらそんな風に動けるんだ、弾けるんだと思うことだらけ。キャパ越えてただの傍観者だった。生で観たらもっと体力削がれるんだろうなと思うと笑いもこみ上げてきた、恐怖だ。
話筋としてはまあそうだろ、そりゃそうだろ、そりゃそうだ、みたいな展開が続いて王道だなあ。って思えたから不安なく意外もなく観られて気持ちが楽だったな。アイリーン様の大湖せしるさんが麗しく、娘役…???本当に???とwikiってふるえてます。ワトソンくんがずっと可愛かったのでワトソンくんを愛でて生きていきたい。
 
冷淡狂気のウィリアム、熱に溶けるシャーロック、惨いアルバートに兄一直線ルイス、スマートなモランとなんだろうこの男凄いほっとけないぞフレッド、可愛い可愛いワトソンくんに可愛げ10000000%ハドソンさん、愛しいレストレード警部と美のアイリーン、ドエムの味方マイクロフト様。って感想です。はい。ホームズ兄弟が惜しげもなく好きだよ性癖が疼いたよ。
 
なんやかんやをそんなに違和感なく見られたいたのはそう言えば「名探偵ホームズ」好きだったわ、と思い出した。犬はいつでも心を豊かにする存在。シャーロキアンではないので事細かではないけれどね。
 
 
 

平野良=リアコ爆増=妖怪について。

おいなんだあの妖怪。
平野くん、本当に狂った生き物をやらせて声に熱が入ったら人を魅了するマシーンになるんだなと学んだ。どうしようもないクズ優男天才やらせて平野良の右に出る男おるんか…?と疑問に思った。リアコしか生まないだろあのシャーリー…ビビリ申し上げた。世の女をママにする男過ぎた。夢中にならない女を呼べ、養いたくない女を探せ………おそろしい男だよ……。
 
 
 

鈴木勝吾と言う化け物。

 
おいなんだあの化け物。
 
どうした!?
 
いやポテンシャルどうした?!
 
久しぶりに独壇場というものを見た。
直近で見た鈴木くん→る戦の一筆奏上*3のみう氏、脳パニックである*4。今思えば演技として鈴木勝吾くんを見たのは薄桜鬼の藤堂編くらいのもので…いや…その時良すぎてブロマ買ったわそういえば………暴力的だったウィリアム様、彼はリアコ製造機ではなく、ただの始祖。ホラーだよ。0から最後まで優美で狂気が詰まってたよ。ダブルカテコの最後に見た笑顔で「人間だ…」ってやっと思えたよ。
 
 
 

脚長い人など。

氏は見せたいものが有る時必ず「素晴らしいから見て欲しい」とやって来る。それは大抵「彼」が素晴らしいから見て欲しい、と言う中身である。大抵の場合私は頷く。7年間こんな感じである。だって基本良いから。幸せそうな彼女の顔は多幸感が有る、なのでそれを見に行ってるのも半分以上ある。人を幸せにする彼女を幸せにできているのは彼であり、この作品なんだなと思う度少し気持ちがふわっとする。多分今回に限っては彼が居るというのは必須であるけれど、それ以上に作品丸ごと愛しているのだろうなと思う。毎日幸せそうで嬉しそうで、そのことばかり考えて笑う彼女は色々を通り越して誇らしささえあった。
声量おかしなことに確かに前情報通りなってた。凄いな。脚が本当に長いなあ、とにこにこし、多分劇場で笑っているであろう彼女を思った。そりゃあ笑顔だろうきっと。拝啓、みどり氏元気ですか、そりゃ元気でしょうね、おつかれさまでした。
 
 
 

寝言である。

反転しよう、古のオタクから。
ちなみに、何も感動しただけで泣いてたわけではない。
平野良という存在は年末、私が心の底から慕い愛した舞台の上にも居た。けれど、同じ彼ではなかった。彼は間違いなく彼だけど、彼じゃなかった。事実に打ちのめされていた、悲しかった、苦しかった。彼はこのポテンシャルをきっとずっと持っている、活かすも殺すも造り手次第なのだと思った猛烈に吐きそうになった。劣等感とか、嫉妬が一番傍にあった。身を投げだして全てぶつけた…勿論、こんな状況下に置かれてこそと言われればそれまでだけど、その事実はあまりにも苦しかった。引き合いに出すのはお門違いだって分かってる、それでも苦しかった。彼を活かせる造り手が居るという事実に嫉妬しているのだろうと思った。思い入れが果ての向こう過ぎて私は誰なんだと自嘲した。心の底でいつも、考えてることはあそこの事なんだな、とも思ってしまった。

……私は結局何処へも行けないのだなと思った。
 
 
 

雑記

擦れた。色んな意味で。擦り切れた。
まあなんだ、あれだ…話がしっかり分かるようにちゃんと初演見て原作味わった方が良いです。
恐怖という感情の置所についてを考える。きっと、理解しきれないものを私は恐怖と呼ぶ。モリミュはとても怖いと感じた。触れ続けたら振れるのは気だと思っている。
 
楽しかったです、そして、とても怖かったです。

*1:極端に血とか肉が駄目なので本当に色んなものが読めない。

*2:もうその頃ぼーっとしていたから正しい言葉は観て抱えて欲しいです。

*3:比べるな

*4:そりゃそう