インフルエンザでなきゃ恋

片側にはにくしみ、もう片側には愛がつまってるの

未来派マッシュの歓劇(舞台Kappa)

2021年6/25(金)~27(日) ロームシアター京都サウスホール 
空想科学劇『Kappa』~芥川龍之介『河童』より~ を観てきました。
 

  • 完走おめでと~う!
  • 或いは未来派マッシュの悲劇。

 
 

 
 
 

感想

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約半月以上空いて未来派マッシュを見る。会社に半休を貰った。マチソワ出来る自信が全く無くなるレベルのメンタルダウンを抱えつつ、三日間東山と岡崎を反復移動。
 
 

悲劇は喜劇である。

そう教えてくれたのは誰も喋ってはならぬだったなと思い出す。
ある程度回数を見れば理解を深められるかしらと思ったが募る倦怠感(時勢的に誤解を招く表現だけどこれが一番似合うので/体調は良いです
あらすじくんで「風刺」と言われて全てを逆に置き換えればああ、皮肉なんだと理解する。原作を結構引っ掻き回してあるから舞台先行で原作に戻ると「違う、こうじゃない」になって私は余計原作への苦手意識が高まっただけだった。空想科学劇Kappaはインスパイアを受けたオリジナル作品と発して欲しいまである。
 
二十三号は随分幼く見え、バッグは生への執着が見えぬ風のような子。ゲエルは愉快で楽しい空気の読める男だったしラップくんは学生どころかニヒルで自由で稼ぎの少ない妻帯者。トックはラップに負い目を感じながら天才・超人と歌う才悩人でマッグは楽しそうに寂しそうに死んでいってしまった。
 
救いのない話だとは思わない。けれど一人ひとり取り上げていけば悲劇の喜劇なのだと思う。
葬式で各々の焼香シーンを正面から見た時の悲痛さは人間界とは違うし、嬉しそうに肉を食らう河童の皆さんはしっかりと獣の様だった。人間の肉って美味いから食べたら中毒性有って共食い禁止?が出てるんじゃなかったっけ?と思い出す。芥川先生が段々歪んだ人に見えてくる。
私はラストシーンもついぞ分からん。光の中に消えていくのが召されるでも無いなら思考を手放すなのかなとも思うし、分からん、分からん。
 
作中一番好きな言葉は「言葉遊びだな」の辺りのくだり。優等・劣等を顕性・潜性と言い換えるところで確かに言ってることは一緒なんだよなと。昨日友人とオタクは相対評価じゃないんだからよという話もしていたが、世界を温く優しくしたところで別に見え方は変わらないのに無駄なことしてるよなあと思う。そんな事ばかり考えていたら舞台を見ているのか思考をかき回されているのか分からなくなってきて、考えることが嫌になってしまうのでこれだからスズカツさんの舞台は嫌なんだ(褒めてるよ)人に何かを残す演劇に、狂わされる身にもなって欲しくて困ったのだった。
 
 

織山尚大さん(第二十三号)

透明度が高かった。可愛いあざとい朗らかふんわり。
さぞ心が擦り切れるだろうという金切り声の発狂で毎度ヒュンとしては、喃語の様な言葉が上手で感嘆するなどした。
 
 

青木滉平さん(バッグ)

キラッチカッとしてるし声が可愛い。ぴすぴす指ハートでオタクさぞ幸せだろうと微笑んだりなどもした。
底知れなさを感じるバッグの存在を微弱に怖いと感じている自分も居た。
 
 

川口龍さん(トック)

上手い。あと声質が本当に似ててビックリする。器用で可愛くて劣等感大好き私を華麗に殺してくる。揺らがぬ芝居を一人丁寧にしているなと思っていたけれど土曜の夜に予想外に目がバキバキぶっ壊れシーンで湧いてしまった。人間こうでなくては。可愛い。私はトックが一番好き。
 
 

川口しんぺーさん(ゲエル)

可愛いがいっぱい。健全なる男女の河童よ!不健全なる男女の河童と結婚せよ!頭にこびりついてしまうんだよなあ。毎日ツイートしてくださって生存確認をさせてもらい大変お世話になった。どんだけ口回るんだ凄いなと感動する。
 
 

コング桑田さん(マッグ)

コングさんが居なければ無事に舞台は終わらなかったんじゃないかなって思うくらい丁寧にこの舞台もキャストもコングさんが纏めてくださってたなと思う。二階にもバンバン愛を届けてくれるタイプのソウルフルコングさん、ついついキャッキャしてしまいました。パスッの音が好き過ぎてね、みねくんが懐いててね。とうとうアドリブ介入させてくれてわぁ可愛がられてる。って微笑んでしまいました。琵琶湖の産湯は笑ったな
 


そんな皆さんにみねくんが贈った言葉。可愛いなあと感動する次第。よそ行きでとても可愛い。こんな全員に対して言葉を持つのを久しぶりに見たので、それだけ仲が良かったんだなあって私まで嬉しくなってしまった。
 
 

未来派マッシュさん(ラップ)

木ノ本嶺浩さん。あなたが自分を褒めないならその分こっちが褒めたるわい!!!!!!!!!!!!!!!!!!と思ったが共演者の皆さまが褒めてくださってたので幸せな気持ちで溜飲が下がる(何に対してか)
京都の後半から少し思うところがあり、本人がその決意を持って挑むのであればもう決めたことだろうし応援するしか無いと思ってるのだけど腹の底で納得してんのかなこの人…と訝しみながら舞台を見つめていた。私の願いは彼の健康と平和なのでまあ良いんですけど。
 
全体的にはっちゃけてたし伸び伸びしてたし楽しそうだった。比較対象がそりゃあ初日なので当たり前なんだけど初日よりずっと気持ちが良さそうで、リズムに乗ってうにうに動いてて可愛かった。こういうダンス上手だなとしみじみ。工藤静香か?ドリフか?ウィンクか?とこう、彼の引き出しの年代が同年代より上ではないのか…?という疑問は一度置いておくにしても貴方の扉がこうして築かれていくのだなと思えば愛おしく、微笑ましく思います。
 
焼香シーン、個人的には金曜は意地悪でどうでも良さそう、土曜辺りから少し控えてる様にも見えて日曜は消極的な様にも見える。
私はラップくんに対して傲慢だとも天才だとも片鱗が見えず、ミニヨンを口遊む姿は勤勉な彼にも見えた。天才だと言われるラップの姿は何処で感じ取れば良いのか分からなかった。天才なのに稼ぎが少ないのか、と寧ろ思う。批評家に絶賛されるような男が、金銭面で困窮している様には見えないからその辺分からんのだけどラップくんを通して見るには人物像がふわっふわでその中でみねくんの通したい芯だけ残ってるのかなーと思いながら見てた。
 
クウ!のシーンで青木くんにゴリゴリに当たっていく姿が愉快で、その後丁寧に左心室の説明をしてる辺りクレバーお兄さんを爆発させていたり、トリプルカテコの更にもう一回で脱いじゃった川口さんをカバーするジュディ・オング様に年末が過ったり。年下に当たりがキツく(愛ゆえ)年上に逆らわず構ってもらえば微笑む、いつもの愛しさ全開のみねくんが居た。すごく可愛い。愛しい。
 
自由で、皮肉屋で、発狂しがちでオーバーリアクションで、面倒でシュッとしてて格好いい琵琶湖出身の仮面ライダーの変なお兄さん。
Kappaの中で良いスパイスになっていたんじゃないかなとにこにこしてる。年末ジャニオタさんがいらっしゃいしてたら功労賞だなって思ってる。本当、色んな彼の血肉になるものたちが見えて嬉しかったし、舞台は苦しかった。
人間の世界は四角四面で、河童の世界は四角いところを丸く掃く様なものなのかもしれないなと考えて呼吸をする。呼吸も本当にしているのか分からない。正しいってなんだろうと思う時間だったなあ、河童と向き合う時間は。
 
 
 

余談。

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京都はずっと二階席。席運の無さなのか、一階の景色を知らぬままロームを後にした。京都会館と言えば当時の私がfor dreamers onlyで行って雷鳥の終電ギリギリで大慌てでタクシーに乗った事を思い出すなどする。あの時も大きい方のホールだったけど二階だったなと、続いている何かにヒュンとする。二階までしっかり見てくれるコングさんの愛を浴びるなどした。バーが邪魔以外は快適だったな。
チケットの話だけで言うとJr先行で取ったチケットは大体センブロ、公式先行はサイドでした。力を感じたね。図らずも最前から最後列まで堪能することとなった。三番立ち位置ポジむずいねん。チケ取り含めて大変愉快でございました。
 
 
私は舞台って

  • 合う/合わない
  • 好き/嫌い
  • 面白い/面白くない

 
の三つで観客は語ってもいいんじゃないかと思ってます。
 
今回のKappaは
合わない/好きじゃない(嫌いとまでは言わん)/面白い
舞台だったという認識。理屈じゃないからね。
なお、それも凌駕するほど、俳優木ノ本嶺浩がキラキラしていた舞台だと思う。のびのびしてて、楽しそうで、お兄ちゃんしてて、凄く幸せな気持ちになった。
 
舞台を見る時、苦痛を感じたくないと私は思う。好きじゃない題材や思考はなんなら避けて通るべきだと思う。だから初日から京都まで行くか行かないかを毎日悩みながら寝てたし苦痛成分が多いなあ~と思いながら見てたし現地に行っても「苦痛だなあ」と座っていたよ。重いのよこの舞台。ぼけーとしながら歩いてた時に前の可愛い女の子二人組が「難しかったね」と話してていや、ほんまそれ。と思ってしまう。皆どんな気持ちでこれを観ていたんだろうと思ってる。
難しいが楽しい時もある、其処に居るから観に行くって層も勿論いる、どんな気持ちでこの舞台に臨めば良いのか全然分からなかった。戸惑いは日々増える。疲れる舞台だったなと思う。ぐったりした。
そりゃそうなんだけど周りが殆ど主演の子たちのファンでビックリする。そうだ、この子達を観に来てるんだって感動する。
 
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かっこいい床のやつ。
なにはともあれ、無事に走り終えてくれたことを凄く幸せに思いました。
 
みねくんが居なかったら間違いなく自分から観に行く題材ではないから、そういう点で感謝する。名残惜しそうにしてるのが愛しくてうっかり毎日泣いた。
 
 
 
 
 
さて、ここから下は楽しい近隣めぐり。
 
 
 

京都。

 
京都に着いて直ぐホテルに向かう。
安いから~って決めたホテルだったけど電子レンジも炊飯器も洗濯機もIHも食器も何もかも部屋にあり住める(住めた)。最近増えてんだろうなと思いつつ相場を考えつつ。やっっすかったなあ。平安神宮と京都動物園とマクドだけは絶対に行くと決めてたのでわくわくしてたら初日からみねくんに先を越され電車の中でぐぬぬスタート。
 
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悔しいのでしれっと同じ画角を意識して撮ってきた。
 

土曜

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朝から平安神宮行っちゃうぞ~ってソワソワしてたら5時に起きた。人も少なかろうとふらふら歩いていったら犬だらけだった。頭の中に舞うキラキラ浪士。
 
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おみくじの出待ちをする羽目となった。私は何をしているんだ。末吉。
 
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またしれっと画角を真似てきた。
 

日曜

ロームシアターにキャリーを置いて動物園に。数分後になったツイート通知に戦慄するなどした。怖いて。
 
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入って直ぐ此処が見えてあまりの美しいに心踊るなどした。
 
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目がマジ。
 
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あじさいきれいだったなあ。
 
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間近で見る。麒麟麒麟、来てくれた麒麟
 
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みねくんへ、ヘドウィグいましたよ。
 
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シソ良すぎる。
 
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ツボネが良すぎる。
 
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ネーミングセンスゥ!!!!
 
大変満喫してしまった。親子連れがとてもかわいく、喋ってる皆さんが絶対にボケた後回収されており「関西だなあ」と思うなどした。キリン可愛い。
 
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幼少期、都ホテル泊まってたなと感慨深い気持ちになっていたら今ウェスティンが入ってるんね。小さい頃の写真都ホテルの景色ばかりで親の趣向が反映されているのだなと今更ながら知る。けど動物園は来たこと無かった気がする。感慨深い。
 
この後舞台の千秋楽を見る。本番からの本番感が拭い去れない。
 
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公演後は京都駅まで戻って志津屋買って電車に乗り込んだ。クリームパン、ふわふわ。
 
家に着いたのは18時過ぎ、寝倒れた。
起きてぼんやりしながらツイートしてもう一回寝た。京都滞在中お昼寝もしなかったし何故か6時に起きてるしで散々だった。思えば遠征中大概ゆっくり寝ないの遅刻怖いと思ってるんだろうな。
感想っていうか旅行記だな。
これをのろのろ書き上げようと月曜頑張っていた所天平令和が決まってチケ取りで発狂してたら投稿ズレまくってしまいました。
 
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おみくじの脅しが嘘じゃないなと思いながら取りましたね。
京都がはるか昔のことのよう。一人旅を満喫した感有る。楽しかったです、バーイ。